気まずいトーナメントの数え上げ

この記事は前々回の記事の続編です。 canaan1008.hatenablog.comまた、トーナメント表の数え上げ方法をもとに話が進むので、前回の記事を読んでいない方は是非そちらもお読みください。 canaan1008.hatenablog.com簡単なあらすじ。 「頭が赤い魚を食べた猫」…

トーナメントの数え上げ

この記事は前回の記事の続編…にしようと思ったのですが、予備知識について書いていたら1.5記事ぶんくらいになったので単体の記事にしました。 canaan1008.hatenablog.com 今後の方針としては、↑の記事で扱ったような多義文の解釈の数え上げについて触れる予…

部分的に黒い猫と赤い魚を食べた猫(多義文の話)

この記事は 数学デー Advent Calendar 2019 - Adventar の8日目の記事です。 あらすじ 9月。東京で仕事を見つけた僕は、上京にあたって密かに楽しみにしているものがあった。そう。数学デーである。 上京して最初の水曜日。仕事を少し早めに離脱した僕は、わ…

糸掛けに出てくる花の秘密を研究していたら想像以上に美しかった話

先日、糸掛けを趣味にしている知り合いの方がFacebookにこのような作品を上げていました。 『謎が解けた⁉️』誰かに『渦を作ると花が出来上がるのは何でやねん』と突っ込まれた事があった。 答えが解らんと、その時は誤魔化した(笑) で。多分、約数が関連して…

【レビュー】小野田博一 著『数学難問BEST100』『数学〈超絶〉難問』『数学〈超・超絶〉難問』を読んで

みなさんこんにちは。カナンです。小野田博一さんが書いた数学の問題集を3年ほどかけてずっと解き続けていたのですが、やっと完走したのでレビューをしたいと思います。今回レビューするのは以下の3冊です。 数学難問BEST100 数学〈超絶〉難問 数学〈超・超…

「謎解き数学」のヒント&解答&解説

みなさんこんにちは。カナンです。以前公開した「謎解き数学」に載せた謎およびカナンの挑戦状の解説をしたいと思います。壮大なネタバレを含みますので、まだ解いていない方は是非ご自分の手で解いてみてからこの記事を読んでください。 追記:カナンの挑戦…

三次関数のグラフの対称性を初めて調べた話

グラフには直線や放物線などがあるのはご存知だと思います。 直線は例えば$y=2x$みたいな一次式で表されるものですし、放物線は$y=x^2+x-1$のような二次式で表されるものがそうです。$y=2x$のグラフ $y=x^2+x-1$のグラフ どちらのグラフもとても高い対称性が…

Q.59(Lim_Rim_氏 作)を解いてみるだけ

数学の問題をたくさん作っていらっしゃるLim_Rim_さんが、以前こんな問題を投げていました。追記:最高次の係数は$1$です。*1 Q.59 ☆7 (N+Al) pic.twitter.com/Bwy2ambt5E— 自作数学問題bot by L (@L_jisaku) 2019年3月29日書き起こしたものがこちら三次関数…

覆面算を解くテクニック集

前回の記事では、$SEND+MORE=MONEY$の問題を例に覆面算の基本的な解き方を紹介しました。canaan1008.hatenablog.com今回の記事では、覆面算がさらに解きやすくなるテクニックを5つ紹介しようと思います。 上下入れ替え 同文字消去 繰り上がり分割 恒等式の除…

覆面算の基本的な解き方

覆面算というパズルがあります。こんなやつです。$$SEND + MORE = MONEY$$ 各文字にはからの数字が当てはまる(同じ文字には同じ数字、異なる文字には異なる数字)。 最上位の桁には当てはまらない(つまり、この問題ではとはではない) 脱出ゲームの序盤の謎と…

【ロマンティック数学ナイト】「謎解き数学」のスライドを公開するよ

みなさんこんにちは。またロマンティック数学ナイトに登壇してきました。romanticmathnight.org発表に用いたスライドです↓ 追記:カナンの挑戦状のCの問題ですが、不備(別解)がありました。失礼いたしました。 答えは「4文字の数学用語」になります。 よろ…

【バーゼル問題の幾何学的な証明】バーゼルむかしばなし

この記事は 好きな証明 Advent Calendar 2018 の17日目の記事です。と同時に、昨日またロマンティック数学ナイトに登壇したのでその振り返り記事でもあります。 romanticmathnight.orgなぜなら!!発表内容が好きな証明そのものだったから!!!まずは発表に…

ロマンティック数学ナイトに登壇してきました

ずっと登壇したかったロマンティック数学ナイトに登壇してきました。やったね! romanticmathnight.org発表に用いたスライドです。 内容は前回の記事とほぼ同じですが、音楽理論がそもそもなぜ難しく感じるのかということを話したりしてます。以下、ひとり振…

公理的音楽論みたいなのを考えたい

音楽理論を数学的に定めたいというお話です。 自分用メモなので眺める程度に。Q. 公理的"音楽理論"じゃダメなの? A. 公理的集合論とかあるからネーミングはそれに倣ってみただけ

【§4定義】大きさを測る

§4 Uniformity norms, and the generalized von Neumann theoremを読んでいきます。前回突如現れたGowers一様性ノルムと、定理3.1の証明が行われています。Gowers一様性ノルムは次のように再帰的に定義されています。定義4.2 Gowers一様性ノルム 関数に対し…

【§3】定理三銃士を連れてきたよ

定理三銃士!?§3 Overview of proofを読んでいきます。前記事の仮定として用いられていた定理2.4を証明するために、また別の定理を3つ用意します。 canaan1008.hatenablog.comそれぞれの証明はまた今度やるとして、ここではその3つの定理から定理2.4が導出…

【§2】ひとまずSzemerédiの定理へ

*4/25追記:一部の議論を追加、修正しました。 §2 The finite cyclic group settingを読んでいきます。前回は定義をたくさんして議論の準備ができました。 canaan1008.hatenablog.comそして、今回のテーマとなる定理はこちら!ババン定理2.4 定量的回帰定理 …

【§2準備】定義の盛り合わせ

※4/25追記:シフト作用素の定義を変更しました。これから§2 The finite cyclic group settingを読んでいきます。さてこれからSzemerédiの定理の証明に向けていろいろ頑張るわけですが、その前にいろんな下準備が必要になります。定義だけでもかなりたくさん…

必ず見つかる等差数列

T.Tao, A quantitiative ergodic theory proof of Szemerédi's theoremを読んでいきます。 ただでさえややこしい内容である上に全部英語なので、自分の中での理解を確かめるために学んだことをブログにまとめられたらな〜〜〜と思っております。本記事はその…

連分数メーカー

今日は連分数を作りましょう連分数の作り方はいろいろありますが、本日の主役はこちらの無限和さんです$$ K=a_1+a_1a_2+a_1a_2a_3+a_1a_2a_3a_4+\cdots $$ こんにちはまた、この方法を使ってライプニッツ級数()の別の姿を見てみましょう。

ウォ!リスの公式 ё(・ω・=)@

1から順に自然数を2つずつ用意して並べます(最初は1つだけ)$$ 1\ 2\ 2\ 3\ 3\ 4\ 4\ 5\ 5\ 6\ 6\ \cdots $$ジグザグに並べます\begin{align} 1\ 3\ 3\ 5\ 5\ 7\ 7\ \cdots \\ 2\ 2\ 4\ 4\ 6\ 6\ 8\ \cdots \end{align}それぞれの数字の積と見て、間に線を…

ランベルトの連分数を頑張って導出してみた

本記事は数学〈超絶〉難問のQ73について書きます。数学〈超絶〉難問作者: 小野田博一出版社/メーカー: 日本実業出版社発売日: 2014/05/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る Q.73 『ランベルトの連分数』 $$ \tan x = \frac{x}{1-\frac{x^2}…

母関数とバーゼル問題

以前このような式を紹介しました。$$ \frac{\pi^2}{6}=\frac{1}{1^2}+\frac{1}{2^2}+\frac{1}{3^2}+\frac{1}{4^2}+\cdots $$この右辺は、こんな風に考えることもできそうです。$$ f(x)=\frac{1}{1^2}x^1+\frac{1}{2^2}x^2+\frac{1}{3^2}x^3+\frac{1}{4^2}x^4…

冪級数に憧れて

本日の主役はさんです。こんにちは。を書くとこんなグラフになります。 彼には冪級数(べき級数)への憧れがありました。冪級数とは、やのように、の冪乗の和(正確には無限和)で表されるものです。前回の母関数も冪級数です。 canaan1008.hatenablog.com果たし…

母関数は数列のギフトラッピング

[tex:]先日はバレンタインデーでした。みなさんはチョコを貰いましたか?貰った人も貰ってない人も、渡した人も渡してない人も、この時期はいろんなプレゼントが贈られる時期でしょう。しかしどんなプレゼントを用意したらいいかわからない…というそこのあな…

IQ120関数でも作って遊ぶか

以前Twitterで見かけた「これが解けたらIQ120」みたいな問題を見かけたので、それを一般化した関数を作っちゃいました。たのしい。

ゼータ関数を勝手に拡張してみる

ゼータ関数で足されている無限項のうち、1つおきに足していったらどうなる?2つおきだったら?分母が2,5,8,...という等差数列だったら?ということをつらつらと考えてみます。何か大発見があったわけでは無いけど自分なりにいろいろ考え始めるためのイント…

自然数の平方の逆数和で遊んでみた

自然数の平方逆数和を求める(バーゼル問題)にはsinxのマクローリン展開と無限積を結んで係数比較するオイラーの方法が有名ですが、「sinxではなくcosxから始めたら何か面白いことは無いかな?」ということを考えます。

数学のブログを始めたらしい

おはようございます。こんにちは。こんばんは。 カナンと申します。 趣味で数学を嗜んでいる者です。