Q.59(Lim_Rim_氏 作)を解いてみるだけ

数学の問題をたくさん作っていらっしゃるLim_Rim_さんが、以前こんな問題を投げていました。

追記:最高次の係数は$1$です。*1

書き起こしたものがこちら

三次関数f(x)は最高次の係数が$1$であり、次の条件(a)〜(c)を満たす。


(a) 方程式$f(x)=0$の解はすべて素数であり、$7$は解に含まれる
(b) 極大値および極小値が存在し、それらの和は$0$である
(c) $f'(0)$は素数


$f(x)$を決定せよ。

非常に興味深かったので解いてみたんですが、なかなかに面白かったので答えをシェアしようと思います。
気になった方はぜひご自分の手で解いてみてください。

*1:この条件が無いと答えが無限に出てきてしまうので、制作者本人に確認しました。

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覆面算を解くテクニック集

前回の記事では、$SEND+MORE=MONEY$の問題を例に覆面算の基本的な解き方を紹介しました。

canaan1008.hatenablog.com

今回の記事では、覆面算がさらに解きやすくなるテクニックを5つ紹介しようと思います。

  • 上下入れ替え
  • 同文字消去
  • 繰り上がり分割
  • 恒等式の除去
  • 分岐の少ない道から

(ネーミングは全てオリジナルなので他のところでは通じません。たぶん。)

やっていることは数学的には当たり前のことばかりですが、覆面算を解く上では視覚的な情報量が減るという大きなメリットがあります。

※注意※

  • この記事内で扱っている覆面算の例はテクニックを紹介するために作成したものであり、解を持たない可能性があります。
  • 各行の最上位の桁は$0$にはなりませんが、変形を行ったあとも必ずしもそうなるとは限りません。
    例えば、$SEND+MORE=MONEY$においては$S$と$M$は$0$ではありませんが、テクニックを使って$END$という行が出てきたとしても、$E$が$0$でないとは限りません($E=0$である可能性もあります)。
  • テクニックを使うと、まだどの文字とも対応がついていない数字が現れる場合があります。混乱防止のため、文字と数字の対応表は必ず書きましょう。
    例えば$ABC+DEF=GBH$にテクニックを使うと$A$$0$$C+DEF=G$$0$$H$となりますが、これは何かの文字が$0$と対応づいた、というわけではありません。ましてや$B=0$とも限りません。
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覆面算の基本的な解き方

覆面算というパズルがあります。

こんなやつです。

$$SEND + MORE = MONEY$$

  • 各文字には0から9の数字が当てはまる(同じ文字には同じ数字、異なる文字には異なる数字)。
  • 最上位の桁に0は当てはまらない(つまり、この問題ではSM0ではない)

脱出ゲームの序盤の謎として覆面算が出ることがありますが、「私、数学苦手だから…」といって切られることが多いです。

ですが、覆面算は数学ではなく、数字パズルです。

数学ではなく、数字パズルです。

慣れるとかなりスマートに解くことができます。

覆面算と言っても足し算に限らず引き算掛け算割り算…などいろいろありますが、今回はスタンダードな足し算でいきましょう。
SEND+MORE=MONEYの問題を例に、解く流れやコツ、テクニックなどをいくつか紹介しようと思います*1

みんなも覆面算マスターになろう!!!!

*1:ちなみにSEND+MORE=MONEYの問題は覆面算の例として一番有名なものです。

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【ロマンティック数学ナイト】「謎解き数学」のスライドを公開するよ

みなさんこんにちは。

またロマンティック数学ナイトに登壇してきました。

romanticmathnight.org

発表に用いたスライドです↓

追記:カナンの挑戦状のCの問題ですが、不備(別解)がありました。失礼いたしました。
答えは「4文字数学用語」になります。
よろしくお願いいたします。

この記事はスライドの公開をアナウンスするための記事であるため、当日の様子やまとめ、謎の解答解説は別記事で行います。

みなさんのチャレンジをお待ちしております。

【バーゼル問題の幾何学的な証明】バーゼルむかしばなし

この記事は 好きな証明 Advent Calendar 2018 の17日目の記事です。
と同時に、昨日またロマンティック数学ナイトに登壇したのでその振り返り記事でもあります。
romanticmathnight.org

なぜなら!!発表内容が好きな証明そのものだったから!!!

まずは発表に用いた下記のスライドを字幕ありでご覧ください。

Q. これはなんですか?
A. 昔話です。
Q. 無限年が経っているそうですが。
A. 昔話です。

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ロマンティック数学ナイトに登壇してきました

ずっと登壇したかったロマンティック数学ナイトに登壇してきました。やったね!
romanticmathnight.org

発表に用いたスライドです。

内容は前回の記事とほぼ同じですが、音楽理論がそもそもなぜ難しく感じるのかということを話したりしてます。

以下、ひとり振り返りタイム

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公理的音楽論みたいなのを考えたい

音楽理論を数学的に定めたいというお話です。
自分用メモなので眺める程度に。

Q. 公理的"音楽理論"じゃダメなの?
A. 公理的集合論とかあるからネーミングはそれに倣ってみただけ

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