公理的音楽論みたいなのを考えたい
音楽理論を数学的に定めたいというお話です。
自分用メモなので眺める程度に。
Q. 公理的"音楽理論"じゃダメなの?
A. 公理的集合論とかあるからネーミングはそれに倣ってみただけ
定義定義アンド定義
$$
\mathbb{Z}_{12}:=\mathbb{Z}/12\mathbb{Z}
$$と定め、その要素を$$
\mathbb{Z}_{12}=\left\{[0],[1],\dots, [11]\right\}
$$とする。
いわゆる鍵盤の12音にあたる要素です。\mathbb{Z}_{12}:=\mathbb{Z}/12\mathbb{Z}
$$と定め、その要素を$$
\mathbb{Z}_{12}=\left\{[0],[1],\dots, [11]\right\}
$$とする。
一方で整数を高さを考慮した全ての鍵盤とみなします。
次はスケールの定義です。
スケール
とし、とする。
このとき、に対してを基準とする構造のスケールを$$
Scale(x, Str) := \left\{ x + s + 12n \mid s \in Str, n\in\mathbb{Z} \right\}
$$と定める。
また、のときのスケールを特にメジャースケールと呼び、を基準とするメジャースケールをと書く。$$
MajScale(x) := Scale(x, \left\{0,2,4,5,7,9,11\right\})
$$
とし、とする。
このとき、に対してを基準とする構造のスケールを$$
Scale(x, Str) := \left\{ x + s + 12n \mid s \in Str, n\in\mathbb{Z} \right\}
$$と定める。
また、のときのスケールを特にメジャースケールと呼び、を基準とするメジャースケールをと書く。$$
MajScale(x) := Scale(x, \left\{0,2,4,5,7,9,11\right\})
$$
臨時記号の定義です。
これはまあそうだよねっていう感じのアレ
臨時記号
関数を\begin{align}
\natural(x) &= x\\
\sharp(x) &= x+1\\
\flat(x) &= x-1
\end{align}と定める。
また、これらの関数の集合を$$
Acc := \left\{ \natural, \flat, \sharp \right\}
$$と定める。
関数を\begin{align}
\natural(x) &= x\\
\sharp(x) &= x+1\\
\flat(x) &= x-1
\end{align}と定める。
また、これらの関数の集合を$$
Acc := \left\{ \natural, \flat, \sharp \right\}
$$と定める。
度数の定義。
音楽理論ではメジャースケールから定義されているためそれに倣っています。
度数
が\begin{align}
x&\leqq y\\
y&\in MajScale(x)
\end{align}を満たしているとする。
このときとの間隔を$$
deg(x,y):=\left| \left\{ z\in MajScale(x) \mid x\leqq z \leqq y \right\} \right|
$$と定める。
また、であるときとの間隔を度と呼ぶ。
が\begin{align}
x&\leqq y\\
y&\in MajScale(x)
\end{align}を満たしているとする。
このときとの間隔を$$
deg(x,y):=\left| \left\{ z\in MajScale(x) \mid x\leqq z \leqq y \right\} \right|
$$と定める。
また、であるときとの間隔を度と呼ぶ。
最後にコードの定義。
一般的な音楽理論ではコードの定義がいろいろありますが、今回はメジャースケールを基準に考える方法を採用しています。
コード
とし、とする。
このとき、に対してを基準とする構造のコードを$$
Chord(x, Str) := \left\{ x + a(c') \mid (a, c) \in Str, c = deg(x,c') \right\}
$$と定める。
とし、とする。
このとき、に対してを基準とする構造のコードを$$
Chord(x, Str) := \left\{ x + a(c') \mid (a, c) \in Str, c = deg(x,c') \right\}
$$と定める。
以下メモ書き
音名付け
をを満たす集合、を全単射な写像とする。
これらに対して、の音名付け関数を次のように定める:
を自然な射影とし、$$
Name = g \circ pr_{12}
$$
をを満たす集合、を全単射な写像とする。
これらに対して、の音名付け関数を次のように定める:
を自然な射影とし、$$
Name = g \circ pr_{12}
$$
また、に対してを単にの音名と呼ぶ場合もある。
augの定理
とする。
このとき、を基準とする構造のコードの各要素に対して音名付けを行うと、このコードは4種類しか存在しない。
つまり、$$
\left| \left\{ \left\{Name(a) \mid a\in Chord(x,aug) \right\} \mid x \in \mathbb{Z} \right\} \right| =4
$$が成り立つ。
とする。
このとき、を基準とする構造のコードの各要素に対して音名付けを行うと、このコードは4種類しか存在しない。
つまり、$$
\left| \left\{ \left\{Name(a) \mid a\in Chord(x,aug) \right\} \mid x \in \mathbb{Z} \right\} \right| =4
$$が成り立つ。
に対して、$$
Chord(x, aug) = \left\{ x, x+4, x+8 \right\}
$$となる。ここでとすると$$
Chord(x+4, aug) = \left\{ x+4, x+8, x+12 \right\}
$$となるが、音名付けは各要素をで割ったあまりで分類されるためとの音名集合(各要素を音名に変換した集合)は等しい。
つまり任意のに対するの音名集合は、に対するの音名集合のいずれかに一致する。また、これら4つの集合は相異なる。
以上より、音名付けされたコードは4種類しか存在しないことが示される。
Chord(x, aug) = \left\{ x, x+4, x+8 \right\}
$$となる。ここでとすると$$
Chord(x+4, aug) = \left\{ x+4, x+8, x+12 \right\}
$$となるが、音名付けは各要素をで割ったあまりで分類されるためとの音名集合(各要素を音名に変換した集合)は等しい。
つまり任意のに対するの音名集合は、に対するの音名集合のいずれかに一致する。また、これら4つの集合は相異なる。
以上より、音名付けされたコードは4種類しか存在しないことが示される。
まとめ
難しいお( ^ω^ )
ここから何か定理とか導出できたらたのしそう