必ず見つかる等差数列

T.Tao, A quantitiative ergodic theory proof of Szemerédi's theoremを読んでいきます。
ただでさえややこしい内容である上に全部英語なので、自分の中での理解を確かめるために学んだことをブログにまとめられたらな〜〜〜と思っております。

本記事はそのイントロダクションということで、↓の2つの定理を紹介します。

定理1.1: Van der Waerdenの定理
任意の自然数k,m\geqq 1に対して、ある自然数N=N_{vdW}(k,m) \geqq 1が存在して、任意の色づけ{\mathbf c}:\{1,\dots , N\} \to \{1, \dots , m\}に対して同色で塗られた長さkの等差数列が存在する。

定理1.2: Szemerédiの定理
任意の自然数k\geqq 1と実数0 \lt \delta \leqq 1に対して、ある自然数N_{SZ}(k,\delta) \geqq 1が存在して、すべてのN\geqq N_{SZ}(k,\delta)に対してA \subset \{1, \dots , N\}かつ\frac{|A|}{N}\geqq \deltaを満たすAには長さkの等差数列が存在する。

すごそう(小並感)

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ウォ!リスの公式 ё(・ω・=)@

1から順に自然数を2つずつ用意して並べます(最初は1つだけ)$$
1\ 2\ 2\ 3\ 3\ 4\ 4\ 5\ 5\ 6\ 6\ \cdots
$$ジグザグに並べます\begin{align}
1\ 3\ 3\ 5\ 5\ 7\ 7\ \cdots \\
2\ 2\ 4\ 4\ 6\ 6\ 8\ \cdots
\end{align}それぞれの数字の積と見て、間に線を引いて分数と見ます。$$
\frac{1\cdot 3}{2\cdot 2}\cdot\frac{3\cdot 5}{4\cdot 4}\cdot\frac{5\cdot 7}{6\cdot 6} \cdots
$$この値はなーんだ?

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ランベルトの連分数を頑張って導出してみた

本記事は数学〈超絶〉難問のQ73について書きます。

数学〈超絶〉難問

数学〈超絶〉難問

Q.73 『ランベルトの連分数』
$$
\tan x = \frac{x}{1-\frac{x^2}{3-\frac{x^2}{5-\frac{x^2}{7-\frac{x^2}{9-\cdots}}}}}
$$
これは1766年に J. H. Lambert(1728年〜1777年)が発見した,有名な連分数です。
あなたはこれを導けますか?

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母関数とバーゼル問題

以前このような式を紹介しました。$$
\frac{\pi^2}{6}=\frac{1}{1^2}+\frac{1}{2^2}+\frac{1}{3^2}+\frac{1}{4^2}+\cdots
$$この右辺は、こんな風に考えることもできそうです。

$$
f(x)=\frac{1}{1^2}x^1+\frac{1}{2^2}x^2+\frac{1}{3^2}x^3+\frac{1}{4^2}x^4+\cdots
$$と置くときの、$$
f(1)
$$の値
つまりこのf(x)を閉じた式で表すことができれば、\ x=1\ を代入して\frac{1}{1^2}+\frac{1}{2^2}+\frac{1}{3^2}+\frac{1}{4^2}+\cdotsの値を求めることができそうです。たぶん。

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冪級数に憧れて

本日の主役は\ \log{(1+x)}\ さんです。こんにちは。

y=\log{(1+x)}\ を書くとこんなグラフになります。
f:id:canaan1008:20180228163008p:plain

彼には冪級数(べき級数)への憧れがありました。

冪級数とは、x^2+3x+2\ \ x^{50}-21x^{20}+x+1\ のように、xの冪乗の和(正確には無限和)で表されるものです。

前回の母関数も冪級数です。
canaan1008.hatenablog.com

果たして\ \log{(1+x)}\ さんを冪級数で表すとどのようになるのでしょうか?
実際にやってみましょう。

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母関数は数列のギフトラッピング

[tex:]

先日はバレンタインデーでした。みなさんはチョコを貰いましたか?

貰った人も貰ってない人も、渡した人も渡してない人も、この時期はいろんなプレゼントが贈られる時期でしょう。

しかしどんなプレゼントを用意したらいいかわからない…というそこのあなた!

母関数をプレゼントしてみてはいかがでしょう?

今回は特別にその作り方を公開します。

みなさんも是非作ってみましょう。

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